美容成分の「フラーレン」ってどんな効果があるの？

フラーレンとは

「フラーレン」とは、簡単にいうと炭素でできた小さな塊（構造物）です。炭素の同素体はほかにもダイヤモンドや黒鉛が挙げられます。同じ素材からできていても、ダイヤモンドは透明で極めて硬い、黒鉛は黒くて柔らかく、電気を通します。
このように、フラーレンも他の同素体とは異なる独自の特徴を持っています。
フラーレンは宇宙空間に漂う星間物質を研究していた3人の研究者によって1985年に発見されました。研究者らはその功績が認められ、1996年にノーベル化学賞を受賞しています。

フラーレンの構造は、炭素原子が数十個も結合し、サッカーボール状の球形に組み合わさっており、ダイヤモンド、黒鉛とは異なった構造です。フラーレンは自然界にも存在しますが、フラーレンをの生成や抽出技術も開発され、幅広い分野で活用されています。
炭素でできた硬い分子は水に溶けないのですが、水溶性フラーレンの開発が進んだことで、美容成分としての利用が可能になりました。スキンケアや化粧品だけでなく、医薬品としての効果も期待され、さらなる開発研究がすすめられています。

ビタミンCの125倍の「抗酸化力」と「持続性」

フラーレンの最大の特徴はその「抗酸化力」です。
体内ではさまざまな刺激により「活性酸素」が生成されます。活性酸素には殺菌作用があり身を守る働きもありますが、過剰に作られると細胞を攻撃し老化を進めてしまいます。この活性酸素を除去したり働きを抑制したりすることを「抗酸化」と呼びます。

強い抗酸化力でよく知られるのはビタミンCで、サプリメントやスキンケア製品などによく用いられています。しかしフラーレンはビタミンCの100倍以上の抗酸化力を有すると報告されています。フラーレンの抗酸化力により、細胞の老化を予防して肌のハリを保ったり、シミなどの色素沈着を抑制したりといった効果が期待されています。

さらに、フラーレンのもつ抗酸化力の特長はその「持続性」です。通常、ビタミンCをはじめ通常の「抗酸化作用」というのは、抗酸化物質が酸化されることで他の物質の酸化を防ぐというメカニズムです。つまり、自分が代わりに酸化され、その働きを終えると抗酸化力を失ってしまいます。
一方、フラーレンによる抗酸化のメカニズムは活性酸素の吸着・分解です。フラーレン自体が酸化されてしまう訳ではないため、持続的に活性酸素を除去できるのです。

フラーレンの取り入れ方

フラーレンにはいくつかのタイプが開発されていて、次のようなタイプと用途があります。

・水溶タイプ：肌への浸透力が高くオールマイティーに働く
・脂溶タイプ：クリームやオイルなどに利用でき、肌の表面や角層など浅い部位で働く
・パウダータイプ：ファンデーションやパウダーなどの化粧品に利用でき、肌の表面で働く
・保湿や浸透に特化したタイプ：肌の角質のより深い層に浸透して働く

それぞれの特徴を活かしスキンケアやヘアケア、化粧品として取り入れることができます。
フラーレンを配合したアイテムやフラーレンそのものをドラックストアやインターネットで購入することができますが、使用に際しては商品ごとの用法や用量に従ってください。
なお、抗酸化力には相乗効果がありますので、ビタミンCやビタミンEなどが一緒に配合されている製品を選ぶとより効果的です。
また、即日効果が感じられるというよりは、毎日使い続けることで効果が見えてくるものだと考えてください。

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