骨切りのリスクとして考えられるのが、神経損傷による感覚障害や、たるみを引き起こす原因となることもあります。
本当に手術が必要かどうかをよく考えて決めることが大切です。
顔の印象に大きな影響を与えるエラ張り。骨格の問題だから治らない、と考えている方も多いのではないでしょうか。
エラ張りは筋肉の発達に関係している場合が多いため、大掛かりな手術ではなく治療で改善する場合がほとんどです。そこで、エラ張りの原因と治療法について解説します。
エラ張りとは?
「エラ」とは、左右の頬から顎にかけての膨らみの部分で、「エラ張り」とはその部分が張って目立ってしまっている状態です。エラはちょうどフェイスラインに位置するため、顔が大きく見えたり角張って見えたりと、コンプレックスに感じる人が多い部位です。
エラ張りの原因は一つではないため、原因に合わせて治療ができる場合もあります。
では、そのエラ張りの原因について詳しく解説していきます。
エラ張りの原因
一般的にエラ張りの治療というと、手術によって骨を削る「エラ削り」を思い浮かべる人が多いかもしれません。たしかに、エラ張りの中には、骨格が大きく影響しているものがあり、その場合には、手術が必要になることもあります。けれども、実はエラの筋肉である「咬筋(こうきん)」の発達が原因となっていることが多く、こうしたケースには、注射による治療で大きく改善するものが多いといわれています。
またこのほかにも、フェイスラインに脂肪がついていることで、エラ張りの原因となっていることもあります。
ですから、エラ張りを目立たなくしたい、という人は、まずは自分がどのタイプなのかを知ることが、改善の第一歩になります。
エラ張りの特徴と改善方法
エラ張りのタイプごとに、その特徴と改善方法をご紹介します。
骨格が原因のタイプ
エラの骨は、下顎骨に位置する下顎角(かがくかく)という部分にあたります。この下顎角の位置が低いと、エラが出っ張って見えてしまうため、顔が大きく見えてしまいます。
このタイプのエラ張りは、元々の骨格が原因のため、骨を切除する「骨切り」という手術が効果的です。
この骨切りと呼ばれる手術は、口の中を切開し、専用の器具を使用し骨を切り取る方法です。口の中から手術をするため傷跡がほとんど目立たないことはメリットとして挙げられますが、一方で、左右差が生じてしまったり、顔面の神経を傷つけてしまい麻痺が残るなどのリスクを伴う大掛かりな手術でもあります。全身麻酔を使用して行うため体への負担も大きく、口やフェイスラインの腫れなど見た目に現れるダウンタイムがしばらく続くことになります。
また、この手術は費用も大変高額になるため、手術方法やダウンタイムなどのリスク、仕上がりのイメージなどをしっかりと確認し、納得したうえで治療を受けることをおすすめします。
瀧本医師
咬筋の発達が原因の場合
上記のように元々の骨格が原因の場合もありますが、エラ張りの多くは、このエラの部分にあたる「咬筋(こうきん)」と呼ばれる筋肉の発達が原因である場合がほとんどです。
奥歯を食いしばりながら口を横に広げた時にエラが膨らむ人は、咬筋の発達が原因となっている可能性があります。特に歯ぎしりや食いしばりが癖になっていたり、硬いものをよく食べる習慣があると咬筋が鍛えられ、エラが張るようになります。この場合、骨切りのような大掛かりな手術は必要なく、注射による治療で改善が期待来ます。
筋肉の発達が原因になっているこのタイプのエラ張りには、筋肉の発達を緩めることを目的とした治療が効果的です。
歯ぎしりや食いしばりの治療として歯医者でも用いられることが多い「ボツリヌス菌」というタンパク質を基にした成分を注射することで、筋肉の緊張をやわらげて発達した筋肉を小さくことができます。
一般的に効果が表れるまでに3週間~1か月程かかるとされていますが、メスを使用しないためダウンタイムがほぼないことが最大のメリットと言えるでしょう。
注射による効果は、注入量や薬剤の種類によって差はありますが数か月~1年程で、定期的に複数回治療することで効果も持続しやすくなります。
比較的手軽な治療方法なため、メスを使用する手術よりもリスクは少なく、全国的にも症例数が多いのも特徴です。ただし、打つ場所を誤ると必要な筋肉が縮小し、違和感のある表情になってしまう場合があります。手軽な治療方法ではありますが、クリニック選びには十分注意しましょう。
その他の原因
エラ張りは上記の2つが主な原因となっている場合がほとんどですが、フェイスラインは脂肪がつきやすい場所でもあるため、脂肪により輪郭が大きく見えてしまう場合などがあります。
このタイプには美容クリニックでの脂肪溶解注射により改善することもあります。
また、咬筋が発達しているうえに脂肪がついてしまっている場合など、複合的な原因も考えられますので、まずはエラ張りの原因を知るために、美容クリニックなどの無料カウンセリングを利用してみてはいかがでしょうか。
まとめ
- 「エラ」とは、左右の頬から顎にかけての膨らみの部分で、「エラ張り」とは、ここが張って目立っている状態を指す
- エラ張りは、骨格が問題と思われがちだが、咬筋の発達が原因の場合も多い
- 骨格が原因となっているタイプは、骨切りによる手術が有効
- 骨切り手術は口の中を切開するため傷痕は目立ちにくいが、ダウンタイムが長くリスクも大きい
- 咬筋の発達が影響している場合、筋肉の発達を緩める治療(ボツリヌス注射)も効果的
- 脂肪がついていることで、エラが張っているように見えることがあり、このような場合は脂肪溶解注射が有効なこともある
この記事の監修ドクター
品川スキンクリニック 広島院
瀧本 浩樹医師
- 日本美容外科学会会員
- 日本美容外科学会認定 美容外科専門医(JSAS)
- 日本形成外科学会会員
- 日本救急医学会 救急専門医
- 日本外科学会 外科専門医
- サーマクール認定医
- ジュビダームビスタ®ボリューマXC認定医
- ジュビダームビスタ®ボリフトXC認定医
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