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五大栄養素の一つであるビタミン。ビタミンにはたくさんの種類がありますが、どれも身体にとって不可欠なものばかりです。

今回、ご説明するビタミンB6もその一つ。ビタミンB6は、とくにたんぱく質の合成に不可欠な栄養素ですが、実は女性にとっても、重要な働きがたくさんあります。

どのような働きがあるのか、ご紹介していきましょう。

幅広いビタミンB6の働き

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ビタミンB6は、「代謝ビタミン」とも呼ばれるビタミンB群の一つです。ビタミンB群のほかの栄養素と同じように、ビタミンB6も、糖質や脂質などの代謝を促す働きがありますが、とくに深く関わっているのが、たんぱく質(アミノ酸)の代謝です。食事などで取り込んだたんぱく質が、体内で合成されるのを助けています。

たんぱく質は、【筋肉のもと】というイメージが強いかもしれませんが、さまざまな組織の成分にもなります。粘膜や皮膚、髪の毛、歯などもその一つで、ビタミンB6は、とくにこれらを健康に保つ上で重要な役割を担っています。また、ビタミンB6には成長を促す作用もあります。

さらに、神経伝達物質であるGABAやセロトニン、アドレナリン、ドーパミンなどの合成をサポートしています。これらの神経伝達物は、興奮や鎮静など情緒の働きにかかわっているため、ココロの健康という点でも、ビタミンB6は重要な栄養素といえます。

このほかビタミンB6には、造血作用や、免疫力を高める作用、抗酸化作用などもあります。また、大腸がんの予防にも役立つことが知られています。

ビタミンB6はとくに女性に摂ってほしい栄養素

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お伝えしたように、ビタミンB6には、健康な身体作りに欠かせない働きがたくさんありますが、次のように、女性に関わる働きも多くあります。

女性ホルモン「エストロゲン」の合成を助ける

ビタミンB6は女性ホルモンの「エストロゲン」の合成に関わっています。エストロゲンは、たんぱく質などをもとに作られているため、しっかり分泌されるためには、ビタミンB6の働きが欠かせません。また、女性ホルモンへの作用から、月経困難症(PMS)やつわりの改善に役立つという報告もあります。

貧血の予防に役立つ

貧血に悩む女性は多いですが、ビタミンB6には造血作用があり、とくに赤血球の成分である「ヘモグロビン」の合成を促します。そのため、貧血予防という点でも、ビタミンB6は重要です。

肌トラブルを防ぐ

ビタミンB6には、皮膚の新陳代謝である「ターンオーバー」を促す作用があります。ターンオーバーが乱れると、肌荒れやくすみ、ハリの低下などを招くため、美しい肌作りにはビタミンB6は欠かせません。また、皮脂の量を調節する作用もあり、皮脂の過剰な分泌などで起こるニキビの予防にも役立ちます。実際にビタミンB6は、ニキビ治療薬や肌荒れの薬にも、用いられています。

ビタミンB6の摂取量と多く含まれる食品

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「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、ビタミンB6の1日あたりの推奨量は、男性(18~64歳)は1.4mg、女性(18~64歳)は1.2mgです。

ビタミンB6不足の状態が続くと、インスリンの分泌が低下したり、皮膚炎やかゆみ、虫歯、貧血、下痢といった欠乏症の症状が出ることがありますが、それほど心配する必要はないといわれています。

というのも、ビタミンB6は、体内でも作られているので、慢性的な不足状態になりにくいからです。またビタミンB6は、日常的に食卓にならぶ食品に多く含まれているので、バランスの良い食事ができていれば、欠乏症のリスクは極めて低いといえるでしょう。

ただし、食生活が乱れがちな人は注意が必要です。とくに、ダイエットなどで魚や肉などを必要以上に制限している人は、要注意。ビタミンB6は動物性たんぱく質に多く含まれているので、こうした食品を極端に避けていると、欠乏症のリスクが高まります。

ビタミンB6を多く含む食品には、マグロ、カツオ、サンマ、鶏のささみ、にんにく、バナナ、赤ピーマン、玄米、アボカド、じゃがいもなどがあります。

健康な身体づくりのためにも、ダイエット中でも、バランスのとれた食事を心がけることが大切です。その際、一度にたくさん摂るのではなく、毎食でバランスよく摂るようにしましょう。

ちなみに、ビタミンB6は水溶性ビタミンなので、水洗いする際は手早く行うようにしましょう。また光に弱いので、保存の際は、光が当たらない場所を選んだり、遮光性のある容器などに入れるようにしましょう。

ビタミンB6を摂る際の注意点

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お伝えしたように、バランスの良い食事をしていれば、ビタミンB6不足に陥ることはありませんが、食生活が偏っている人は、サプリメントを活用するのも、方法の一つです。ただし、摂取する際は用法用量を守り、摂り過ぎには注意しましょう。

「日本人の食事摂取基準」によると、1日あたりの摂取量の上限は、男性(18~64歳)は55mg(30~49歳は60mg)、女性(18~64歳)は45mgです。この上限を守らないで摂取していると、「感覚性ニューロパシー(またはニューロパチー)」といって、末しょう神経障害を発症する可能性があるので、注意が必要です。

まずは、食事からの摂取を心がけ、必要に応じてサプリメントなどを正しく活用しましょう。

まとめ

  • ビタミンB6は、たんぱく質(アミノ酸)の代謝に深く関わっている
  • ビタミンB6は粘膜や皮膚、髪の毛、歯を健康に保つ役割がある
  • 成長を促す作用、神経伝達物質の合成を助ける作用、造血作用、免疫力を高める作用、抗酸化作用などもあり、大腸がんの予防にも役立つことがわかっている
  • ビタミンB6には女性にとって嬉しい作用も多く、女性ホルモンの作用を助ける、貧血を予防する、肌トラブルを防ぐ、などの効果も期待できる
  • バランスの良い食事をとっていれば、ビタミンB6不足になるリスクはかなり低い
  • ダイエット中などで、魚や肉を過剰に控えていると、ビタミンB6不足に陥る可能性がある
  • ビタミンB6を多く含む食品には、マグロ、カツオ、サンマ、鶏のささみ、にんにく、バナナ、赤ピーマン、玄米などがあるので、こうした食品をしっかり摂ることを心がけること
  • ビタミンB6は水溶性ビタミンのため、調理の際は、手早く水洗いするとよい
  • ビタミンB6は光に弱い
  • 食生活が乱れている人は、サプリメントで補給することも方法の一つだが、用法用量を守って正しく摂ることが重要
     
文/品川美容スタッフ

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