今や美容医療に不可欠となったレーザー治療。シミを消す事ができるから、きれいな肌を保つ事ができるからとクリニックで勧められた治療をなんとなく受けていませんか?勿論美容のプロがお勧めする治療に間違いはありませんが、「どのレーザー」が「なぜ効くか」が分かれば更に効果が実感できるはず。そこで今回はレーザー治療とその効果について掘り下げてみようと思います。
そもそもレーザーとは?
レーザーは、Light Amplification by Stimulated Emission of Radiationのそれぞれの単語の頭文字を取ったもの(LASER)で、誘導放出による光増幅と訳されます。自然には存在せず、人工的に増幅された光です。
光は、その波長(文字通り波の長さで、一つの波の発生から次の波の発生までの長さの事を言います)によって短い方からガンマ線、X線、紫外線、可視光線(人が認識できる光)、赤外線、電波があり、波長の長さによって皮膚への深達度(光が作用する深さ)が違います。一般的には波長が短いほど深達度が浅いため、皮膚表面にしか作用せず、波長が長いほど皮膚の奥深くまで届きます。
美容医療でレーザーを使うのはなぜ?
美容医療ではレーザーの光熱作用を使用します。レーザーがメラニンや赤血球などのターゲットだけに届き、熱エネルギーに変換され、ターゲットもしくはその周りの破壊すべき組織だけを正確に破壊するのですが、そのためにはレーザーの波長や照射時間(パルス幅)、その際のエネルギーが重要です。例えばパルス幅が長すぎると、ターゲットだけでなく周りの正常な組織も傷つけてしまいますし、瘢痕(はんこん=傷跡)が形成される可能性もあります。
レーザーを用いた美容医療の治療では
①レーザーの波長(ターゲットまで届かせる事ができ、選択的に吸収されるかどうか)
②パルスの幅(ターゲットだけを損傷する事の出来る照射時間)
③照射エネルギー(照射時間内にターゲットのみを破壊するのに十分なエネルギー)
の三つの組み合わせが正しく選択されているかどうかが重要となるのです。
美容医療で使用されるレーザーの波長は主に可視光線(約400~700 nm)と赤外線(約700 nm~1,000 ㎛)です。ちなみに、美肌の敵、紫外線(10~400 nm)には物質の性質を変える光化学作用があり、直接DNAに損傷を与えたり、酸化ストレスを起こしてしまいます。レーザーは使い方次第で治療方法にも、損傷を与えるものにもなるのです。
レーザーの種類はどうやって決まるの?
ターゲットとなる部分に的確に届く波長を人工的に作るためには、その源となる物質、媒質(ばいしつ)が必要です。媒質は気体、固体、液体、半導体(ダイオード)などがあります。例えばシミの原因となるメラニンだけを破壊するには、メラニンに吸収されやすくヘモグロビンなど他の色素には反応しない光を作り出す必要があります。
そこで、ヘモグロビンには反応せず、メラニンにだけ反応するレーザーを発振できる、ルビーを触媒(しょくばい)に用いたQスイッチルビーレーザーを使用します。ここでいうQスイッチとは、瞬間的に高いパワーのレーザー光を発振するための技術のことです。
そのほかにも、たとえばLP-YAGレーザー(ロングパルス-YAG、1064 nm)はイットリウム(Y)、アルミニウム(A)、ガーネット(G))を用いたレーザーです。レーザーには大抵その光の元となる触媒の名前や技術、種類などの名称が付いているので、覚えておくと良いでしょう。
レーザーはカスタマイズが大切!クリニックでしっかり相談を
いかがでしたか?例えば「シミを消したい」というご要望は同じでも、それが皮膚のどこに存在するか、色の濃さはどうか、発生した原因は何か、患者様の希望は何かによっても使用するレーザー、出力、治療の順番などをカスタマイズしなければなりません。同じレーザー、同じ出力でも、人が違えば当然治療に対する反応も違ってきます。様々な治療を行う事ができるクリニックで、経験豊富で信頼できるドクターを見つける事が、レーザー治療で美肌を手に入れる早道だと言えそうですね。
治療方法が多すぎてよくわからない、また、自分の肌悩みを相談してから治療方法を決めたい…という方は、ぜひお気軽にクリニックへお問い合わせください。女性スタッフや専門の医師によるカウンセリングを無料で行なっております。
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