最近「お肌がキレイな男性が増えている」と感じることはありませんか?数年前から耳にするようになった「ジェンダーレス男子」といった言葉に象徴されるように、これまでの概念を覆す「かっこよさ」に注目が集まっています。今、男性の美容意識にはどのような変化が起こっているのでしょうか。
ジェンダーレス男子とは
「ジェンダーレス」は、「ジェンダー=性」と「レス=ない、少ない」が組み合わさってできた言葉で、もともとは性別の垣根がない社会を目指す考え方や活動を意味していました。<>
しかし、昨今ファッション業界などで注目されているこの言葉は、少しニュアンスが異なります。
2015年頃から、日常的にメイクや性別にとらわれないファッションを楽しむ男性が「ジェンダーレス男子」と呼ばれ始めました。
「ジェンダーレス男子」と呼ばれる男性たちの特徴は、女性的な要素を取り入れたファッションや着こなしをする、スキンケアやメイクにもこだわるという点でしょう。容貌や体形は色白で細身である傾向があります。
必ずしも本人が認めているわけではありませんが、タレントの『りゅうちぇる』さんやモデルの『とまん』さんなどがジェンダーレスな有名人として知られています。
ジェンダーレス男子のファッションとは
ジェンダーレス男子は中性的なイメージを与えますが、かれらは女性的に見られることを意識しているわけではありませんし、いわゆる「女装」をしているわけではありません。
また、「ユニセックス」というファッション用語と混同されやすいのですが、この言葉は「男女兼用」を意味するので異なります。
さて、ジェンダーレスなファッションは、1970年頃からすでに女性が男性のスーツを着こなすなどして一部で話題になっていました。2010年頃からは本格的にファッション業界で注目が集まるようになり、2015年頃からはジェンダーレス男子と呼ばれるモデルやタレントがメディアで取り上げられるようになりました。
「スカートやハイヒールは女性のアイテム」という固定観念にとらわれず、性別の垣根を越えて自分らしいファッションを身にまとうジェンダーレス男子は、特に若い女性からの支持を集めています。
いまどき男性の美容意識
このようなジェンダーレス男子の台頭と時を同じくして、男性の美容意識も高まりを見せています。株式会社リクルートライフスタイルの「20代男性の美容意識・行動調査2017」によると、顔や身体のケアをしている人は2014年よりも増加していて、調査対象の約7割は程度の差はあってもスキンケアをしている・したことがあるという結果でした。
また、花王株式会社が行った調査「20代男性の美容意識と実態」においても、20代男性の48%が化粧水・乳液・美容液のいずれかを使用している、という結果が出ています。
1990年〜2000年代生まれの若年層は、SNSの台頭や就職活動により、見た目が重視されることに意識的な世代と言えます。少しでもお手入れをして相手に清潔感やよい印象を与え、コミュニケーションを円滑に進めたいという思いもあるでしょう。
しかしそれ以前に、「ハリのあるキレイなお肌を保ちたい」「男性もきれいなお肌のほうがいい」という考え方が、男女を問わず共通の意識になりつつあると言えます。
そして、おそらくこの傾向は若年層男性に限られた話ではありません。最近では、ドラッグストアなどでも女性用と同じように男性向けスキンケア用品が充実しています。電車など公共の場でも、男性向けの脱毛や臭いをケアする製品の広告をよく目にします。社会全体として男性美容へのニーズが高まっているようです。
男性美容の社会を取り巻く変化
ジェンダーレス男子の人気や男性の美容意識の変化を踏まえて言えるのは、これまで根付いていた「男性らしさ」「女性らしさ」という概念が変わりつつある、ということでしょう。
また、「メイクをしてスカートを着るのは女性」と決めつけるのではなく、自分がよいと思うものを選び、性別にとらわれずにファッションを楽しむ。そんな昨今の風潮は、たとえば、LGBT(セクシャル・マイノリティ=性的少数者)の人たちの社会認知度を高める追い風になるとも考えられます。日本の人口の7.6%いると言われるLGBTの人たちは、近年少しずつ理解を示す動きが広がっているものの、依然として残る固定観念や性差の壁に苦しめられることが多々あります。
もちろん、ジェンダーレス男子が必ずしもLGBTであるという意味ではありません。しかし、性別にとらわれず、自分らしいファッションやスキンケア、メイクを楽しむ、そんなジェンダーレス男子のあり方は、男性の美容意識を高めるとともに、多様な性を受け入れようという社会の変化にも一役買っているのではないでしょうか。
男性にも人気のメニューはスキンケア・ニキビ治療
特に男性から人気のある美容医療に「ニキビ・ニキビ跡治療」が挙げられます。最近はニキビ外来など、保険診療の病院の皮膚科でもニキビの相談ができるところが増えています。しかし、忙しくて平日の診療時間に間に合わない、保険診療ではカバーできないニキビ跡のクレーターを治したい…などの理由から、美容医療・美容皮膚科・スキンクリニックを利用する男性も増えています。
美容皮膚科は、外用薬・内服薬といった医薬品によるニキビの治療はもちろん、ケミカルピーリングをはじめとした自由診療(保険外診療)ならではの幅広い選択肢から治療を選ぶことができます。さらに希望に合わせてニキビ跡や色素沈着、脱毛などニキビの治療以外のケアも一緒に行うことができるのが特徴です。悩ましいニキビを治療するだけではなく、肌質の改善や美肌キープも目指せるというメリットがあるというわけです。
お悩みや仕上がりの希望、こだわりに合わせて、皮膚科か、美容皮膚科かを選ぶと良いでしょう。
ジェンダーレス男子・男性の美容意識のまとめ
- ジェンダーレス男子は、女性的なファッションをオシャレに着こなしている
- スキンケアやメイクにもこだわり、色白で細身、といった傾向がある
- 固定観念にとらわれないジェンダーレス男子のかっこよさは、若い女性から支持されている
- 男性の美容意識は近年とくに高まっている
- キレイなお肌を目指すことは、性別や世代を問わず、共通の意識になりつつある
- ジェンダーレス男子の台頭は、LGBTの人たちへの理解を深める追い風となっている
- 性別を越えて自分らしいファッションを楽しむことが、日本社会の変化にもつながっている
【参考】
・株式会社リクルートライフスタイルの『20代男性の美容意識・行動調査2017』(https://hba.beauty.hotpepper.jp/wp/wp-content/uploads/2017/11/20171130_mens20_PR.pdf)
・花王株式会社『美肌にこだわる男子「20代男性のスキンケア」その意識と実態』(https://www.kao.co.jp/content/dam/sites/kao/www-kao-co-jp/lifei/report/pdf/02.pdf)
category
顔
肌
ボディ
その他