オイル美容という言葉を聞いたことはありますか?「ベタつく」「太る」など、美容の大敵のように思われがちなオイル。
しかし、様々なオイルを正しく使うことで美肌に近づくことができるのです。今回は美容に適したオイルの種類や使い方を解説します。
オイルで美容ってどんな方法があるの?
オイルというと、一般的には食用のサラダ油やオリーブオイル、クレンジングオイルやヘアオイルなどが思い浮かぶのではないでしょうか。
栄養素の面から見ると、オイル=油は「脂質」という三大栄養素の一つで、細胞の循環をスムーズにしたり、自律神経やホルモンのバランスを整えたり、代謝を促進したりする効果があるとされ、人体に欠かせないものの一つです。摂りすぎはよくありませんが、適切な量を食事で補うことは大切です。
また、良質なオイルには食用として以外の面でも、美容に役立つたくさんの効果があります。
クレンジング剤としてのオイル
女性であれば、身近なオイルとして「クレンジングオイル(オイルクレンジング)」を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。
最近だと、まつ毛エクステの流行で敬遠されがちなクレンジングオイルですが、油分を含むメイク成分とのなじみがよく、洗浄力が高いためウォータープルーフなど落ちにくいメイクをしっかり落とすのには適しています。
クレンジングオイルの仕組みは?
クレンジングオイルは、主成分である油分をメイクの油分や皮脂汚れとなじませてから、水分で乳化させることで汚れを浮かせて肌から落とします。
ゴシゴシこするのではなく、指の腹を使ってオイルとメイクを優しくなじませてから水を加え、白っぽく乳化したことを確認してから洗い流しましょう。
また、オイルは垂れやすいので、髪の生え際やフェイスラインに残らないように注意しましょう。
クレンジングオイルを使うときのポイント
オイルで洗顔する際に注意したいのが、正しい量を使うことときちんと乳化させることです。
メイクや皮脂汚れとオイルをしっかりとなじませるためには、商品ごとに推奨されている量を適切に使用する必要があります。また、乳化が十分で無いと汚れをしっかりと落とすことができないため、乳化の工程も丁寧に行いましょう。
肌につける美容オイル
オイルはスキンケアの一環として肌表面に塗るという使い方もあります。役割には大きく分けて「ブースター」「保湿」「マッサージ」の3種類があります。それぞれ見ていきましょう。
洗顔後すぐにつける「ブースター」としてのオイル
オイルの「肌を柔らかくする」という効果を利用した使い方が「ブースター」です。化粧水などをつける前に用いることから、導入美容液と言われることもあります。
役割としては、スキンケアアイテムの浸透をサポートするというものです。
肌が硬く、ごわついているとそのあとに化粧水や乳液をつけても十分に浸透しないことがあります。そこで、オイルやオイルベースの美容液をつけることで角質を柔らかくして、水分が浸透しやすい肌にするというわけです。
スキンケアに使用する「保湿」のためのオイル
乳液やクリームなどに含まれる油分は、化粧水で潤いを与えた肌をさらに保湿するためのものです。乳液・クリーム・オイルそのものなど、製品によって形状は異なりますが水分の蒸発を抑え、美容成分を肌に留めておくためにもオイルは必要不可欠なのです。
また、保湿と同時にツヤを与える効果も期待できるため、肌だけでなく、全身や髪の毛などにも使われることがあります。
オイルや乳液・クリームをつけるのは、肌の上で化粧水の水分が感じられない程度に肌に馴染んだタイミングが良いとされています。これは、化粧水をつけた直後のような、肌が濡れた状態では水分と油分が混ざり合ってしまい肌になじみにくくなってしまうためです。
「マッサージ」の効果を高めるためのオイル
顔や体のむくみを取るためにマッサージをする際にクリームやオイルを使う方も多いでしょう。マッサージによる過度な摩擦は皮膚を傷つけたり、皮膚を引っ張りすぎてシワの原因になるなどの悪影響を及ぼします。そこで、滑りを良くして摩擦を減らし、肌を守るのにオイルが使われます。
マッサージに使うオイルの効能としては、潤滑剤としての効果以外にも、香りによるリラックス効果や、オイルによっては保湿成分や肌を引き締める成分による効果などが得られます。好みに応じて選ぶのが良いでしょう。
食事で美容!「オメガ3系」のオイル
オイルを食事で取るときにはどんなことに気をつければ良いのでしょうか。
これまで、オイルはカロリーが高くて、太る原因になると考えられてきました。しかし、最近になって良質のオイルはむしろ美容によく、積極的に摂るべきという考え方が広まっています。
美容によく、積極的に摂るべきといわれているのは「オメガ3脂肪酸」が含まれるオイルです。
オイル(脂質)の種類は、オイルに含まれている脂肪酸の種類によって分類できます。大きくは2種類で、
・不飽和脂肪酸
→紅花油、ひまわり油、大豆油、菜種油、亜麻仁油、サバやイワシ等の魚油に多い
・飽和脂肪酸
→動物性脂肪の肉、牛乳、バター、卵黄、チョコレート、ココアバター、ココナッツ、パーム油などに多い
とされています。
「オメガ3脂肪酸」はこの中でも不飽和脂肪酸に分類されるもので、飽和脂肪酸に比べて食事から摂りにくいため、積極的に摂取することが勧められています。
美容に良いオイルと摂るときの注意点
では、「オメガ3脂肪酸」が豊富なオイルをご紹介します。
■アマニオイル(亜麻仁油):
アマニオイルは成熟した亜麻の種子から得られる、黄色っぽいオイルです。オメガ3脂肪酸のリグナンという成分が含まれており、肌や髪のハリツヤをアップさせたり、自律神経の働きを整えるなどの効果が期待できます。
また、ビタミンやミネラルも含まれており、これらは加熱することで酸化しやすくなるため、ドレッシングなどで加熱せずに使うのがポイントです。
■チアシードオイル:
チアシードオイルはシソ科ミント系のサルビアの種子から採れるオイルです。オメガ3脂肪酸のα-リノレン酸という成分が含まれており、代謝の促進や保湿、エイジングケアなどの効果が期待されています。こちらも加熱せずに使いましょう。
■エゴマオイル(荏胡麻油):
エゴマオイルもα-リノレン酸が大変豊富で、血液をサラサラにする効果や、抗炎症・抗アレルギー効果が期待されています。
上記の3種類のオイルはいずれも加熱せずに食べるのがおすすめです。1日に摂る量は大さじ1杯程度を目安にするのが良いでしょう。
オイルをそのまま飲むのは大変なので、ドレッシングのように野菜にかける、パンや豆腐などの食品につける、スープなどに垂らして一緒に摂るなどの方法がおすすめです
また、オイルは熱や空気、光によって変質しやすいため、緑〜黒色の遮光ボトルに入っているものを選ぶと良いでしょう。また開封後は1ヶ月を目安に早めに使い切りましょう。
オイルを使った美容法:まとめ
- オイル=油は「脂質」という三大栄養素の一つで、人体に欠かせないものの一つ
- 良質なオイルには美容に役立つたくさんの効果がある
- オイルクレンジングは、メイク成分とのなじみがよく、洗浄力が高い
- スキンケアの一環として肌表面に塗るオイルの役割は、「ブースター」「保湿」「マッサージ」などがある
- 「オメガ3脂肪酸」が含まれるオイルは美容によく、積極的に摂るべきといわれている
- 「オメガ3脂肪酸」が含まれるオイルにはアマニオイル、チアシードオイル、エゴマオイルなどがある
- オイルは熱や空気、光によって変質しやすいため、緑〜黒色の遮光ボトルに入っているものを選ぶと良い
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