ニキビ跡に悩まされていませんか?
「ニキビ跡は、もう治らない・・・」とあきらめている人は多いかもしれません。しかし適切な治療によってニキビ跡が改善することがあります。
そこで今回は、ニキビ跡の原因や治療法について解説いたします。
ニキビ跡ができる原因
多くの人が一生に一度は経験するニキビ。同じニキビでも、きれいに治るものがある一方で、跡が残ってしまうこともあります。
その違いは、炎症の状態や程度なのです。
たとえば、初期の段階で適切な治療やケアを行った場合、炎症の程度は軽度で、跡が残ることはあまりありません。
ところが、ニキビが悪化して膿んでしまったり、赤いニキビになってしまうと、皮膚の深い部分にまで炎症が広がっているため、ニキビが治った後でも、赤くなる、茶色っぽくなる、凸凹とした皮膚になるといった症状が残ることがあります。これが、ニキビ跡です。
ニキビ跡のタイプ
ニキビ跡にはいくつかのタイプがあり、それによって治療法が変わっていきます。そこで、それぞれのタイプについてご説明します。
赤みが残るタイプ
ニキビが良くなった後に、患部に赤みが残ることがあります。
これは、ニキビの炎症を抑えるために毛細血管が患部に集中し、うっ血していることによるもの。
ニキビが治った後にこうした状態がしばらく続くことがありますが、一時的な症状であることが多く、次第に目立たなくなっていきます。
色素沈着を起こすタイプ
ニキビのあった場所が、褐色や紫色に変化して残ってしまうタイプです。
褐色のニキビ跡は、炎症から皮膚を守るためにメラニン細胞からメラニンが大量に作り出され、それが色素沈着を起こすことが原因です。
一方で紫色のニキビ跡は、ヘモグロビンによるものです。ニキビの炎症が皮膚表面(表皮)よりも奥にある真皮にまで達し、そこの毛細血管が破れてしまうことが原因です。
破れた毛細血管から染み出したヘモグロビンが、紫色のニキビ跡になります。
皮膚が凸凹してしまうクレータータイプ
ニキビによる炎症を繰りかえすことで毛穴の構造自体が変わってしまい、皮膚が凸凹とした状態になってしまうタイプです。
「クレーター」などとも呼ばれています。皮膚やクレーターの状態から、いくつかのタイプに分けられています。
たとえば、次のようなものがあります。
・アイスピック型:アイスピックのように細く、小さな穴のようなへこみができるもの
・ボックスカー型:垂直に陥没し、クレーターの底が平らなもの
・ローリング型:直径が4~5mm以上で、緩やかで深いへこみができるもの
このほかにも、クレータータイプにはさまざまな型があり、複数の型が混在していることもあります。また、皮膚表面よりさらに深い真皮で起こることや、皮膚の構造自体が変化してしまっていることから、クレータータイプは、ほかのタイプと比べて治療が難しくなります。
このようにニキビ跡といってもさまざまなタイプや原因があります。では、これらをどのようにケアしていけばよいのでしょうか。
ニキビ跡ができやすい場所
顔の中でも皮脂腺が発達しているおでこやこめかみ、頬などは、皮膚が凸凹してしまうクレータータイプのニキビ跡ができやすい傾向にあります。
また、大人になって発生する大人ニキビ(吹き出物)の多くは、フェイスラインなどの乾燥した部分になりやすいと言われています。大人ニキビ(吹き出物)は、思春期に比べて肌代謝が悪く、ダメージが蓄積されているためニキビ跡になりやすいです。
ニキビ跡は軽傷であれば数ヶ月で自然に治りますが、炎症が強く同じところに何度も繰り返しできてしまっている場合は、クリニックなどで治療することをおすすめします。
ニキビやニキビ跡を悪化させない方法
ニキビ跡を消すためには美容皮膚科などの治療が効果的ですが、日常生活でのセルフケアも取り入れることでより効果を高められます。
ニキビやニキビ跡を悪化させないためには、正しい洗顔と保湿が欠かせません。洗顔で必要上に皮脂を落としてしまったり、ゴシゴシと強い力で擦って洗顔をする人も多くないでしょう。そうすると、肌を傷つけたり、ニキビ跡を刺激してしまう可能性があります。洗顔をする際は、洗顔料をよく泡立て、肌を擦らないように優しく丁寧に洗うことを心掛けてください。タオルで拭く際は、タオルに菌が繁殖する可能性があるため、顔を拭く度に替えるなどして清潔な状態を保つことが大切です。
また洗顔後は保湿ケアをしっかりと行い、肌の潤いを保つようにしましょう。肌が乾燥しているとバリア機能が低下し、外部からの刺激を受けやすい状態になります。なるべく肌に刺激を与えないように注意しましょう。
ニキビ跡を改善するためには?-セルフケア編-
まず、セルフケアでは炎症を抑えるビタミンCや、美白の有効成分として知られるトラネキサム酸が入っている化粧水などを取り入れてみましょう。
とくに、赤みが残るタイプや色素沈着を起こしているタイプにはこの方法がおすすめです。
さらに、どのタイプにも共通することとして紫外線対策があげられます。紫外線は、炎症を悪化させたり、ニキビ跡がシミとして残る原因になります。
そのため、日焼け止めなどを使い、紫外線対策をしっかり行いましょう。
なお、ニキビやニキビ跡を悪化させないためにも、患部は絶対にいじらないようにします。
患部をいじってしまうと、ばい菌が入ったり炎症がさらに悪化して一層治りにくくなったりなど、跡が残る原因になってしまいます。ニキビやニキビ跡があるとつい触ってしまいたくなると思いますが、それ以上に悪化させないためにも、絶対にいじらないようにしましょう。
ニキビ跡を改善するためには?-クリニックでの治療編-
お伝えしたように、ニキビ跡の中には時間が経つことで自然と目立たなくなるものがありますが、一方でセルフケアだけでは太刀打ちできないものもあります。
とくに、皮膚が凸凹してしまうクレータータイプはセルフケアで治すことが難しいため、美容外科や皮膚科で相談することをおすすめします。
ここでは、クリニックなどで受けられる代表的な治療法として、次の2つをご紹介します。
ピーリング
ピーリング治療は、専用の薬剤を皮膚に塗り一定の時間を置いてから薬剤を洗い流す方法で、古い角質や汚れなどを取り除き、肌の新陳代謝であるターンオーバーを促すことができます。
これによって色素沈着を起こしている細胞が皮膚の表面に押し上げられ、角質となって剥がれ落ち、ニキビ跡が目立たなくなります。
ピーリングは色素沈着を薄くするだけでなく、ニキビの予防にも効果的です。
特に、マッサージピールとも呼ばれているコラーゲンピールは、肌質の改善におススメです。
レーザーや光による治療
レーザーや光を照射し、皮膚の細胞を刺激する治療法です。
ターンオーバーを促す、メラニン色素を破壊してシミなどを薄くする、コラーゲンを増やすなどの効果が期待できます。
色素沈着を起こしているニキビ跡や、皮膚が凸凹としたニキビ跡にも効果を発揮するため、美容クリニックなどでよく行われています。
最近はレーザー治療や光治療の種類が増えてきていて、ニキビ跡の改善だけでなく、シワやたるみ、シミなど、さまざまな症状に効果を期待できるものも数多くあります。肌の悩みに応じて、治療法を選択することができるようになってきているのです。
このほか、外用薬や内服薬による治療やダーマペン4なども、ニキビ跡の治療として取り入れられています。
また、皮膚の状態を見ながら複数の治療法を組み合わせて行われることもあります。
ただし、基本的に一度受けただけで目に見える効果を得ることは難しいため、間隔をあけながら複数回治療を受ける必要があります。
クレータータイプのニキビ跡におすすめ治療は、ヴェルベットスキン(ダーマペン+コラーゲンピール)です。
一度の治療でも効果を感じやすく、本気でニキビ跡の治療を始めたい方におすすめです。さらに、美肌注射をオプションで追加する方も多くいらっしゃいます。
治療法によって痛みや副作用、ダウンタイムの有無、費用などが異なるため、医師の診察を受ける際には説明をしっかりと聞き、疑問点や不安な点を解決した上で、自分に合った方法を見つけることが大切です。
諦める前に相談しよう
お伝えしたように、ニキビ跡の治療法は一つではありません。ですから、あきらめていたニキビ跡でも、専門家による治療で大きく改善する可能性もあります。ニキビ跡に悩んでいる人はぜひ一度病院で相談してみてください。
まとめ
- ニキビの炎症が皮膚の深い部分にまで到達していると、ニキビ跡となって残ることがある
- ニキビ跡にもいくつかのタイプがある
- 赤みが残るタイプは、一時的な症状であることが多い
- 色素沈着を起こしているニキビ跡もあって、メラニンが関係していると褐色に、ヘモグロビンが関係していると紫色になる
- クレータータイプは、ニキビを繰り返すことで毛穴の構造が変化することで起こり、他のタイプよりも治療が難しい
- セルフケアとして、ビタミンCやトラネキサム酸が入っている化粧水などをとりいれること、紫外線対策を行うことがあげられる
- ニキビ跡は絶対にいじらないこと
- 美容クリニックなどでは、ピーリングやレーザー・光による治療などが行われる
- ニキビ跡で悩んでいる人はあきらめる前に医師に相談を
この記事の監修ドクター
品川スキンクリニック 表参道院
林 英明医師
- 日本美容外科学会会員
- VST認定医
- ジュビダームビスタ®認定医
- ジュビダームビスタ®ボリューマXC認定医
- ジュビダームビスタ®ボリフトXC認定医
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