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グロースファクターをご存じでしょうか。一般に「細胞再生因子」とも呼ばれるグロースファクターは肌の再生能力を引き上げるといわれますが、どういうものなのでしょう。老化により減少するグロースファクターを補う方法と留意点はなんでしょうか?

肌の再生能力を引き上げる グロースファクターGF(Growth Factor)とは

肌の再生能力を引き上げる グロースファクターGF(Growth Factor)とは

グロースファクターは、幹細胞により人間の身体で自然に作られるタンパク質の一種の総称です。細胞増殖因子EDF(Epidermal Growth Factor)と呼ばれるグロースファクターは、肌の再生能力を引き上げてくれる働きがあります。

この細胞増殖因子EDFは、アメリカの生物学者Dr.コーエンによって1962年に発見され、その業績によりノーベル医学生理学賞を受賞しています。その後、EGF以外の細胞増殖因子FGF、KGF、IGFなど多くの成長因子が発見されました。

肌は、年齢とともに衰えていきますが、グロースファクターも18~20歳頃から急激に減少して、40歳ではピーク時の半分以下の40%にまで下がります。つまり、老化が始まり、肌にシワが出てきて、ハリや弾力が低下してきます。

肌の再生周期(ターンオーバー)は、20代では24日~28日間と言われていますが、加齢により徐々に時間がかかるようになり、40代では55日、50代では75日、60代では100日もかかるようになります。これはグロースファクターがどんどん減少してきているためなのです。

グロースファクターの肌への効果

グロースファクターの肌への効果

体内で作られるいわゆる天然のグロースファクターは18歳頃がピークで、それ以後は年々減少していきます。そのため、肌の弾力、乾燥、シミ、シワ、たるみなど、老化のサインが出てきます。

このような悩みを解決するために、外側から補う「細胞増殖因子複合体注入法」が出てきました。注射で細胞増殖因子「グロースファクター」を注入することで、細胞が生まれ変わり、加齢により低下した肌の機能を取り戻すというものです。

グロースファクターによるエイジングケア療法というわけです。もともとは、火傷や床ずれなど重度の皮膚疾患の治療に使われているものですが、それを美容治療に応用したのです。ですから、ニキビやニキビ跡だけではなく、皮膚の内面から持ち上げるようにシワやたるみを改善することが可能なのです。

グロースファクターはどう補えばいい?

グロースファクターはどう補えばいい?

グロースファクターは、細胞の活性化、増殖などの効果をもつたんぱく質の一種です。いろいろな種類がありますが、美容皮膚科でおもに使われるものは、皮膚の表皮細胞に対して働くEGF(上皮細胞増殖因子)や、真皮層の線維芽細胞に対して働くFGF(線維芽細胞増殖因子)で、さまざまな肌の悩みに使用します。

一般的には、シワやたるみ、目元のクマなどを改善するために、注射器にて注入します。他にオプションとして、PRP血小板療法・ケミカルピーリング治療とグロースファクターを併用する方法もあります。ちなみにPRP血小板療法とは、自分の血液から血小板を抽出して、自分に注入する方法で、皮膚の再生や若返りを目的として行うものです。

また皮膚に薬剤を用いて行うケミカルピーリングは、古い角質層を取り除くことで、新陳代謝を活発化させ、きめ細かなハリのある肌を取り戻すことを目的としたものです。

また、KGF(ケラチノサイトグロースファクター)のケラチンは毛髪の主成分で、IGF(インスリン様増殖因子)は、毛母細胞や毛乳頭へ働きますので、毛髪再生療法に利用します。また、グロースファクターを含んだ美容液や育毛剤も販売されています。

グロースファクター注射の特徴

グロースファクター注射は、効果が出るまでに2週間~1か月ほどかかります。そして、皮膚組織の再生サイクルが変化したら、1~3年は効果が持続します。極細の注射針で液体成分を注入するので、腫れがほとんどなく、すぐに人前で仕事をする人でも問題ありません。また痛みもほとんどなく、注射をするときにチクッとする程度です。

グロースファクター施術の流れ

グロースファクター施術の流れ

(1)カウンセリング
施術を受けることを決めている人も決めていない人も、カウンセリングでじっくり説明を受け、そのうえで決断しましょう。自分に向いている施術なのか、体質に合っているかなど、相談をして決定します。

(2)施術
時間は5分~10分程度で、麻酔はしません。部位によっては冷やして注射することもありますが、基本は消毒してからすぐ注射となります。

(3)施術後
当日帰ってからは、普段通りの生活ができます。入浴や洗顔も問題ありませんが、顔への施術では、2~3時間メイクは避けましょう。飲酒や運動をしてもOKです。もし内出血が起こった場合でも数日で引いて消えていきます。

グロースファクターの注意点、副作用とは

グロースファクターの注意点、副作用とは

グロースファクターは、もともと人間の身体の中で作られているタンパク質の一種なので、副作用はありません。しかし、グロースファクターを注入する場合、注入する量によって、とくに目元に関して「膨らみすぎる」という報告があります。

注射により直接注入するために、余分なグロースファクターも肌が取り入れているからだと思われます。従って、医師である術者の技量に影響を受けやすいので、施術を受けるにはきちんとしたクリニックを選択する必要があります。単に値段の安さにつられて、施術を受けると、大変なことになる可能性もありますので、注意しましょう。また、効果には個人差があることも認識しておきましょう。

グロースファクター:まとめ

グロースファクター:まとめ
  • グロースファクターは、細胞の活性化、増殖などの効果をもつタンパク質の一種
  • とくにEGFは、上皮増殖因子とよばれ、アメリカ人によって発見され、ノーベル賞を受賞した
  • グロースファクターは、18歳位がピークで、加齢により徐々に減少していく
  • エイジングケア療法として、細胞増殖因子複合体注入法がある
  • シワやたるみ、目元のクマなどに注入して補う
  • グロースファクターを使った美容液、育毛剤もある
  • カウンセリングをして自分で決断すること
  • 副作用はとくにないが、医師の技量により効果に差がでるので、クリニックは慎重に選ぶべき
文/品川美容スタッフ

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