冬でも気付けばかいてしまっているワキ汗。お気に入りのニットやカットソーに汗ジミを発見したことがある人も多いはず。そのワキ汗、ひょっとするとワキガかも…!今回は、ワキガの原因とすぐに試せるセルフチェック方法をご紹介します。
ワキ汗・ワキのニオイが気になる…これってワキガ?
腋の下にかく汗が刺激的な特有の臭いとなり、その臭いが強い場合のことを「ワキガ」といいます。
医療的には、「腋臭症(えきしゅうしょう)」という病気です。ワキガを含め、体臭は自分ではなかなか気づきにくいもの。臭いの問題はとてもデリケートなので、「私、臭う?」とほかの人に簡単に聞けるものでもありませんよね。
そこで、今回はすぐに試せるセルフチェック表をご紹介します!夏だけでなく、冬もしょっちゅう汗をかく、ワキの汗が気になる…という方は、ぜひ試してみてください。
女性にも意外と多い?ワキガになってしまう原因とは
そもそも、ワキガとはどのような病気なのでしょうか?
汗を出す組織のことを「汗腺」といいます。汗腺には「エクリン腺」と「アポクリン腺」という2種類があり、ワキガの原因となる汗は、主にアポクリン腺から出ています。糖質や脂質、タンパク質、アンモニアといった成分を含んだ汗が、常在菌(人間の身体に常に存在する微生物)に分解されると、独特の刺激臭となります。ここに皮脂が混ざりあうと、臭いはさらに強くなります。
もうひとつのエクリン腺からは、水分が99%、残りの1%に塩分やアンモニアなどを含んでいる汗が出ています。ほとんどが水分で、臭いはほぼありません。しかし、臭いを拡散させ、強くさせる背景があります。汗が蒸発するときに、アポクリン腺からでた汗も一緒に拡散させ、周囲に臭いを広げてしまいます。また、汗の量自体が多くなることで、ワキの下の湿度が高くなり、雑菌が繁殖し、臭いが強くなることもあります。
ワキガかも?と思ったら…すぐに試したいセルフチェックシート
自分がワキガかどうか知るためには、医療機関で皮膚組織を調べるなどの方法もありますが、まずは自宅で簡単にチェックできる方法をご紹介しましょう。
次の項目に当てはまるものが多いほど、ワキガの可能性が高いと言えます。
- 両親や親のどちらかがワキガである
ワキガは、遺伝的要因がとても大きいです。両親がどちらもワキガという場合では80%、両親の一方が該当する場合でも50%の高確率で子どもに遺伝する、という報告もあります。
- 湿った耳垢が出る
ワキガの方の耳垢は、カサカサした乾いたものではなく、湿ったやわらかい場合が多いです。耳垢が湿るのは、耳の中にアポクリン腺の量が多いためです。このようなケースでは、ワキの下にも多いと推測されます。
- ワキ毛の量が多い
ワキ毛の生え方には性別差・個人差がありますが、ワキ毛の量が多い分、アポクリン腺も多いと考えられています。
- 服のワキが汗で黄ばむ
洋服の黄ばみは、汗や皮脂汚れが原因と言われます。アポクリン腺の汗に含まれる、脂質やアンモニアといった成分が衣類につくと、黄ばんでしまいます。黄ばみの程度に個人差はありますが、この黄ばみもワキガに特徴的な症状とされています。
- ワキに白い粉がつく
制汗料などをつけていないのに、ワキに白い粉状のものがつく人がいます。これは、アポクリン腺からの分泌物が結晶となったものの可能性が高いです。エクリン腺の汗が多い場合、その成分のほとんどは水分なので、白く結晶化することはありません。
- 汗をかきやすい
暑い日や運動後などに汗をかくのは、体温を調節するのにとても大切な反応です。ただし、必要以上にたくさん汗をかく場合には、「多汗症」の可能性があります。まだ明確なメカニズムや因果関係は分かっていませんが、ワキガの人は、多汗症を合併している場合が多いようです。ただし、多汗症はエクリン腺からの汗が原因で、ワキガとは全く別物です。特に、ワキの下の多汗症を「腋窩多汗症(えきかたかんしょう)」と言います。ワキの下に多くの汗をかくことをいいますが、これが即ワキガということではありません。ただ、汗をたくさんかく上に汗臭いことで悩む人は多く、実際にワキガと多汗症を合併していることは珍しくありません。
ワキガの可能性が高い場合には、どう対策すればいいの?
もしワキガの可能性が高い場合は、まずは臭いを増大させない工夫や、根本原因に対処する方法を取ることが大切です。
食生活を見直しましょう
欧米人に比べて、日本人はワキガの人口率が低いといわれていて、その違いは、食事背景の違いが大きいと考えられています。肉類やファーストフードなど、高カロリー、高脂質の食事は、ワキガの原因となるアポクリン腺や皮脂腺を活発化する働きがあります。
また、肉類中心の食事は、アポクリン腺に含まれる脂質やアンモニアなどの生成量を増やします。日本人のワキガの人口率が低いのは、魚や野菜といった和食文化が効果を発揮していると言えます。肉類を極端に制限する、というのではなく、週単位で食習慣を見直し、バランスよく食べることが大切です。
皮膚を清潔に保ちましょう
ワキの下の湿度が高く、不衛生な状態が続くと、雑菌が増えます。また、汗が蒸発することでワキガの臭い物質をまわりに拡散させることにつながります。
汗をたくさんかくときは、こまめにウェットティッシュなどでワキを拭く、下着を替えるなどの工夫をするとよいでしょう。もちろん、日々の入浴でワキをきれいに洗うことも大切です。
医療機関を受診しましょう
ワキガの治療費用も、保険適用となります。ワキガの治療を行うのは、皮膚科や美容形成・形成外科、美容外科などがあります。「しっかり対処したい」という場合には、アポクリン腺の数や質、においなどを専門の医療機関で詳しく調べ、治療方法を相談することができます。
ワキガ・ワキ汗・多汗症治療の方法は?
ワキガ・ワキ汗の程度は個人差が大きく、治療法もさまざまです。治療方法としては、外用薬や内服薬、手術療法などがあります。
強力汗止め「パースピレックス」
外用薬は、汗と臭いを抑える消毒薬や、雑菌の繁殖を防ぐ抗生物質、強力な汗止めなどが処方されることがあります。
品川美容外科・品川スキンクリニックでは「パースピレックス(Perspirex)」という塩化アルミニウムが有効成分の汗止めを取り扱っています。
塩化アルミニウムはエクリン腺から分泌された汗の水分と反応し、水酸化アルミニウムに変化します。これが汗腺の栓となり、一時的に汗が出にくくなります。
エクリン腺からの汗はほとんどが水分で、臭いはほぼありませんが、これを抑制することでアポクリン腺からの汗の臭いを軽減することができます。
注射で手軽に汗を止める「プチ多汗症治療」
ワキ汗を一定の期間出にくくする治療にボツリヌス・トキシン注射があります。小顔や表情ジワの治療でよく用いられるアラガン社のボツリヌス注射も同じ成分です。これをワキに注射することで、汗の分泌を抑えることができます。
品川美容外科・品川スキンクリニックでは「プチ多汗症治療(ボツリヌス・トキシン多汗症治療)」というメニューで、所要時間5~10分程度と短く、お手軽なのが特徴です。
汗の元から処理するので安心「プレミアム超音波サーマル法」
ワキガの元となるアポクリン腺を元から処理してしまうワキガ・多汗症治療もあります。品川美容外科・品川スキンクリニックでは「プレミアム超音波サーマル法」というメニューです。
この方法では、ワキの下の目立たない部分を数ミリ切開してニオイの元となるアポクリン腺を超音波で破壊、熱処理し、取り除きます。所要時間は約20分と短く、入院や通院の必要もありません。他にも、より確実にアポクリン腺を処理する「超音波ハイブリッド法」など、ワキガの程度に合わせたメニューもご用意しています。
ワキガの治療はクリニックに相談を
汗を意識しにくい冬だからこそ、汗ジミや汗の臭いでうっかり恥ずかしい思いをしたり、逆に汗や臭いを気にしてファッションを楽しめなかったりしていませんか?
品川美容外科・品川スキンクリニックでは、そんなお悩みにも丁寧にご対応いたします。ワキガ・ワキ汗・多汗症について気になるメニューがありましたら、お気軽にクリニックへご相談ください。
ワキガの原因とセルフチェック:まとめ
- ワキガの原因は、アポクリン腺から出る汗の成分にある
- 親もワキガか、湿った耳垢が出るのか、衣類の脇が黄ばむか、などでワキガのセルフチェックができる
- ワキガの日常対策では、肉類を食べ過ぎない、皮膚の清潔を保つなどの方法がある
- ワキガの根本的な原因解決方法は、医療機関への受診がある
- 医療機関では、外用薬・内服薬・手術療法がある
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