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数年前から韓国美容の世界で話題となっている「シカ」と名のつくクリームなどの化粧品。
荒れた皮膚の保護や再生を促すとされ、美肌を求める韓国の男女に人気だそうですが、日本では馴染みの薄いアイテムかもしれません。今回はそんな気になるシカクリームをご紹介します。

そもそも「シカ」とは?

そもそも「シカ」とは?

「シカ(CICA)」は、「傷」「傷跡」を意味するラテン語由来のスペイン語「cicatriz(シカトリス)」からきています。
英語でも傷跡のことを「cicatrix(シカトリクス)」といいますが、これも語源は同じです。韓国では近年、「シカ」と名のつくクリームやバームなどの化粧品が数多く販売されています。

これらの化粧品の目的は、ニキビや、外部からの刺激に敏感になって皮膚トラブルを起こした肌を治してキレイにすることです。
語源からもわかるとおり、皮膚の修復・治療効果を重視していますので、消費者のあいだでは「皮膚再生促進クリーム」のひとつとして知られています。韓国美容における「シカ」製品のブームは、皮膚科学に基づいた化粧品開発の流れの中に位置づけることができます。

シカクリームに含まれる有効成分は?

シカクリームに含まれる有効成分は?

韓国では各メーカーから「シカ」製品が販売されていますが、いずれも基本的に配合されているのはツボクサ(韓国名ビョンプル、学名はCentella asiatica)から抽出された有効成分です。

原材料表示では、「ツボクサエキス」「ツボクサ抽出物」「ビョンプルエキス」「センテラアジアチカ抽出物」などと表記されることもあります。
ツボクサはゴツコラとも呼ばれ、古くから中国の中医学やインドのアーユルヴェーダなどで万能薬として珍重されてきました。
怪我をした虎がツボクサの生えているところに身体を擦りつけて癒すという伝承から「タイガーハーブ」とも呼ばれます。外用するほか、ハーブティーや青汁などのようなジュースとして飲まれたり、瞑想の際に使用したりしています。
ツボクサエキスには、以下のような働きがあるとされています。

・抗炎症作用や鎮静作用
・傷ついた皮膚の細胞を修復・再生する作用
・抗酸化作用
・コラーゲンの生成を促進する作用
・血行促進作用
・抗菌作用

これらの作用により、肌のターンオーバーを促進する、ニキビや肌荒れを起こした肌を鎮静してすこやかに保つなどの効果が期待できます。

シカクリームはどんなときに使うの?

シカクリームはどんなときに使うの?

「シカ」製品では、ツボクサに含まれる成分の中でも、「マデカッソシド(韓国語読みではマデカソサイド)」という成分がとくに注目されており、そのためシカクリームは「マデカソサイドクリーム」とも呼ばれます。
このマデカソサイドは傷に塗る軟膏の主成分としても使用され、傷や火傷、乾癬など皮膚の損傷を改善する効果については臨床試験でも認められています。
なお、マデカソサイドの含有量が1%未満の製品は「医薬部外品(化粧品を含む)」、1%以上の製品は「医薬品」として売られています。

シカクリームはあくまで「化粧品」ですので、医薬品の含有量よりは少ないものの、マデカソサイドの配合によって、さまざまな皮膚トラブルを起こした肌の改善や、保湿成分の含有量が多いため、乾燥や外部刺激などによる皮膚のバリア機能の乱れを修復・改善しながら、ターンオーバーを促進する効果が期待できます。
ニキビや肌荒れ、毛穴の開きといったお悩みがあるときや、レーザー治療後など、刺激を受けたあとの肌のメンテナンスにも使用できます。

シカクリームの使い方は?

シカクリームの使い方は?

シカクリームは保湿力も優れており、水分と油分のバランスを整えてくれるため、脂性肌の方は特に油分が多く感じることもあるようです。基本的には夜のスキンケアの最後に使用し、朝のスキンケアでは軽めのテクスチャーのクリームを使用することをオススメします。
メーカーや製品によっては化粧下地効果やコントロールカラーの役割がプラスされているものもありますので、特に肌荒れが気になる方は下地効果のあるものを使用するのも良いでしょう。

シカクリームを塗る部位は、ニキビや荒れた部分のみでもよいですし、化粧品ですから顔全体に塗ることも可能です。ただし即効性については過大な期待はせず、ある程度の期間、継続的に使用してみて様子を見る方がよいでしょう。

先に述べたようにマデカソサイドが含まれる軟膏などの医薬品もありますが、これは患部にのみ塗る使用法を想定して作られています。シカクリームの代用として顔全体に塗るような使い方はやめましょう。

特に季節の変わり目は、肌が敏感になって荒れやすくなります。そんなときにシカクリームを集中的に使えば、乾燥などで細かな傷ができた皮膚を鎮静させ、トラブルの少ない肌を維持できそうですね。
韓国では当たり前に使われているシカクリーム、自分に合ったものを探して活用してみてはいかがでしょうか。

まとめ

  • シカクリームは皮膚の治療効果を重視した、韓国の皮膚再生促進クリームのひとつ
  • シカクリームにはツボクサから抽出された有効成分が配合されている
  • ツボクサエキスには、ターンオーバーの促進や、皮膚の炎症を鎮静・修復するなどの働きがある
  • ツボクサエキスの中でも、マデカッソシド(マデカソサイド)は傷に塗る軟膏にも使われる成分で、皮膚トラブルを起こした肌にも効果が期待できる
  • シカクリームはニキビや乾燥による肌荒れ、レーザー治療後など、刺激を受けた肌のメンテナンスにも使用できる
  • シカクリームを使うタイミングは、日々のスキンケアの最後がおすすめで、製品によっては化粧下地として使用することもできる
  • シカクリームはニキビや肌荒れに局所的に塗ってもよいし、顔全体に塗ってもよい
文/品川美容スタッフ

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